罠だと分かっていた。

レジ前に並んでいる「50円引き」のシールが貼られたスイスロール(バナナ風味クリーム)


先日購入した。100円にしては結構な量なので、おやつには十分過ぎるくらいだ。
しかし、何も今日買わなくてもいいだろう。たかが半額になったぐらいで私の購買意欲が刺激されるわけがない。
生憎、今日は既に飲み物×2を両手に持ってしまっている為、手が空いていない。非常に残念だ。あ、レジが空いた。次は私の番か。


購入する予定の飲み物をレジの上に置く。両手が開いてしまった。
しかし、50円引きだからといってそんな餌に釣られるわけがない。どうせ賞味期限が今日までだとか、そんな類いのものだろう。
よく見ると、下にもう一枚シールが貼られている。恐らく20円引きのシールだろう。それでも売れなかったから、50円引きのシールが貼られたと推測される。


そこまでして売りたいか。見上げた根性だ。売れ残るよりか、利益が少なくとも売れた方が良いのであろう。
レジのお姉ちゃんも、内心では「買え〜買え〜買ってくだせぇ〜」と念を送り続けているのかもしれない。いつもと表情は変わらないが。


その必死さは何か共感するものがある。何だろう。
全一を取りたくてひたすらレッスン(というか実力テスト)を回し続けたあの感覚と………、全然別物だ。それと一緒にしたらいけない。


ともかく、今言える事は、これを書きながらスイスロール(バナナ風味クリーム)を頬張っているという事だ。
何が起こったのかはよく覚えていない。気がついたら袋の中に入っていたのだ。世の中には、不思議な現象もあるものだ。


結論:『値引き』は魔法の言葉。